落下する夕方。

江國香織さんの小説。

少し物悲しい話だけれど

お話の雰囲気が好きでもう何度も読んでいる。

 

華子が昔から大好きで、

華子と梨果の関係に憧れがあった。

 

寂しくて寂しくて、どうしようもなくて

本を読もうと思って

1番慣れ親しんだこの本にした。

ただそれだけだったけど、

大好きな華子が

私の好きな人にとても似ていることに気づいた。

 

華子は自由だ。気ままでいたい人だ。

飄々としていて何人もの男の人と時間を共にする。

それを悪びれもなく、普通にする人だ。

 

でもそれでいて何故か梨果のことは

大事にするのだ。

梨果に「…寂しかったの?」

「ここにいることなんて意味なんてないのよ。

ただ多少楽しくしていただけ。いつだって帰れるわ。」

と言うところ。

 

まるで同じようなことを好きな人に言われたことがある。

 

梨果は言う。

華子のまわりにどのくらい男の人がいても

気に病むべきじゃないのだ。

華子のことを好きならば。

 

本当にそう思う。

 

梨果が華子に聴く。

「健吾のこと好き?」

「好きよ。」と華子は言う。

「愛している?」

「いいえ」

華子はまわりの人を恋に落としていく人だけれど

誰も愛してはいないのだ。

 

私の好きな人。

私の大好きな人。

彼女はAセク。

まさに華子だ。

友愛なのだと思った。

愛されはしないのだ。

けれど気に病んではいけないのだ。

彼女のことを好きならば。

 

なんとなくこの本をまた手に取ったことに

意味があったのではと思ってしまう。

 

今日も夜まできっと連絡はないだろう。

私はきっと余計なことを言ったんだろう。

応えようとしなくていい。

そのままでいい。

友達よりも少し近くて、

たまに電話をして、

おやすみとおはようが言える人。

手を繋いで、寂しいときにたまに抱き合える人。

それで、いいの。

それで、充分。

 

だから、居なくならないで。

また私のことを安らぎだと思って。

人生のボーナスだと言って、帰ってきて。