あの日と同じ場所。

3週間ぶりに好きな人と会えた。

改札前まで迎えに行くさながら

胸はドキドキするし、顔が緩んじゃうし

笑っちゃう。

見つけたら飛びついて会いたかった!と言ってやろうと思ってたのに、

見つけたら、そんなこと軽率に出来なくて

久しぶりーというのがやっとだった。

好きな人は流石で今日もちゃんと手を繋いでくれた。

私はもらった黒猫がいなくなってることに

全然気づけないくらい、

簡単に全部思考が好きな人になってしまっていた。

 

ランチにビュッフェ。

好きな人はいつも通りサラッと綺麗に

たくさんのものを食べて、

私は好きな人でお腹いっぱいになっていて

空腹がどこか行ってしまっていた。

彼女は小さいケーキやプリンを10個以上

食べていた。

それから私のフルーツポンチのリンゴも

可愛くパクッと食べてしまった。

 

手を繋ぎながらウィンドウショッピングをして

彼女は私に似合いそうな服を見立ててくれた。

どれもあったかそうでかわいくて優しそうな服。

茶色のレオパード柄の眼鏡も選んでもらって

買ってきた。

本当は選んでもらった服も全部欲しかった。

彼女が羽織ったグレーのコートは

本当に似合っていた。

 

途中彼女が気分が悪くなってしまって

トイレの前で待ってる時、

とても悲しくなってしまった。

帰ってしまうかな、とか

無理してるんじゃないかとか。

少し座って休むことにして、

彼女の携帯の写真を見ながら

仕事で作ったものや、

昔の写真なんかを見せてもらった。

人目がなければ寄りそって

寝かせてあげたかった。

膝も肩もいくらでも貸すのに。

頭を撫でてゆっくりしてもらいたかった。

2回目のトイレを待ってる時

プラを聴きながら目を瞑って待った。

すぐに彼女が出てきて、

何聞いてるのって片っぽのイヤホンを

自分の耳に入れて、

一緒に少しプラをきいた。

 

ディズニーストアでジャックを見て

サンリオでプリンくんを見た。

ジャックはもともとお互い好きで

プリンくんも彼女の方が大好きだけど

私ももともとかわいいと思ってたキャラクターで。

昨日はまた貴重なプリンくんグッズを貰ってしまった。

お手紙が好きでしょってレターセットも。

彼女にお手紙、また書いてもいいのだろうか。

私は鎌倉のお土産をやっと渡せた。

狐のハンカチと、お菓子と、さつきちゃん似の

黒い猫のキーホルダー。

黒い猫を彼女は不細工って笑うけど

私はかわいいと思う。

目が鋭いのににっとしてて、

ふわふわで彼女みたいで。

話してた幸せの猫の首輪はあげなかった。

なんだか押し付けがましい気がしてしまって。

彼女もそれに関して何も言わなかった。

代わりにカレーとさつまいものクリームをあげた。

 

お店の中は明るくて、

彼女に今19:40だよって言われた時

本当にびっくりした。

お腹の調子が悪い彼女と

休憩がてらのカフェに入った。

私は食事をさせてもらって

彼女はオレンジのアイスティー

宝石みたいな色とりどりのタルト。

ケーキが食べたくなっちゃうなって言うから

食後にケーキがついてくるセットを頼んだ。

お腹がいっぱいのふりをして、

タルトの上のフルーツだけ彼女の口に

入れてあげた。

大丈夫そうなので、最後までそうやって一緒に食べた。

前にこんな夢見たなぁ。デジャブ。

って私が言うと、彼女も覚えてて

私の夢見すぎって笑ってた。

大好きだからね、しょうがないよ。

 

そこでやっとゆっくり向き合って話が出来た。

みんなすぐに恋愛しないの?って私に言うと。

まるでそうしないとおかしいみたいに言われると。

仲良かった人がおかしくなっていくと。

もう私必要ないの?とか言ってくると。

私はあなたが恋愛したくないなら

そういうときなのだから

それでいいのよ。と言った。

おかしくないよ、と。

そうやって言うのは私くらいなのだそう。

よく心が折れないねって言うから、

恥ずかしまぎれに私はフリーじゃないからって

言った。

それにつらいのはいらないのよって言ってしまったなぁ。

それを、少しだけ弁解させてもらうと

無理矢理恋愛に持ち込んで

彼女に無理をさせたり

嫌な思いをさせて

彼女がいなくなる方が私はつらいのだ。

これを今度弁解したいけど、

彼女には重たいかもしれないと思うと

このままでもいいのかと悩む。

みんな恋愛できないと知ると彼女から離れていく。

それはとても彼女には寂しいことだ。

私は離れていくことより、

彼女とどんな形でも手を繋いでいたい。

それは、不健全なことだろうか。

私とか、他の女の子に

どんなことをしたら女の子をときめかせてしまうのか

勉強しているらしい。

だから彼女はかわいいって言わなくなった。

私はそれが少し寂しい。

でも、髪の毛は昨日も触ってくれた。

一線を超えた人達のすることなんだよって言ったのに。

嬉しそうに触ってた。

でも話していてとてもよくわかったんだ。

それらが彼女にとってなんでもないことなんだって。

友達にすることなんだって。

昨日は私の好きだって言ったストライプのジャケットに、10センチ越えのヒールをはいて、

私が赤いインナーカラーを入れたからって

普段着ない赤色のトップスを着て来てくれて。

えらいでしょ?って言うけど

それも友愛なんだって、わかってる。

あなたは友達に対する愛情が、

人より高いんだね。って教えてあげた。

彼女が出来ると自分を削ってまで

スパダリになっちゃう。

そんな人だから

人への愛情が深すぎるのかもしれない。

私の好きな人はそんな人だ。

 

改札まで送って、彼女の電車が来るまで

一緒にいた。

10分前までねって優しい気づかい。

時間だよって言われて、

あぁ、帰っちゃうなって思った時

頭を抱かれた。

彼女の首に顔が当たっちゃった。

 

恋愛しないっていうくせに

今日も完璧にエスコートして、帰っていった。

 

彼女は勘違いさせないように

私は彼女に心配をかけないように

 

なんだかお互い変な気使い。

だから前よりちょっとだけ距離を感じる。

そんな寂しさを、寂しいまま

私達は並行して歩いていくのかな。このまま。

 

この恋も愛情もいつか終わりが来てしまうのかな。

だったらそれはなるべく遠くに。

ずっと遠くにしてください。

また会いたいって言ってくれますように。

そんな私でいれますように。